共著のインタビュアー松野大介が考える 三谷幸喜式「好き」を仕事にする方法 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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共著のインタビュアー松野大介が考える 三谷幸喜式「好き」を仕事にする方法

 

【座右の銘としての「松田優作の言葉」】

 

 最後にオマケとして、三谷さんではなくて松田優作さんの言葉を書きます。  

 松田優作の大ファンのあるカメラマンはまだ駆け出しの頃から松田優作と交流が持てていたらしい。久しぶりに松田優作と話す機会を持てた時のこと(少し記憶が曖昧ですがご勘弁を)。

  「今何をしてるんだ?」と聞かれ、カメラマンでは食えずバイトしてることが恥ずかしく、「○○です、つまらない仕事ですよ」などと答えた。

 「なんだそりゃ」などと優作の表情が変わり、こう言い放った。

 「この世につまんない仕事なんてひとつも無い」  

 つまり、その仕事がつまらないんじゃなくて、お前がその仕事をつまらなくしてるんだと。

 この逸話はわりと有名らしく、私は松田優作さんのドキュメンタリーで知りました。  

 言われてからはその仕事をがんばり、やがてカメラマンとしても成功していった。これは「好き」を仕事にするのとは逆で、仕事を好きになる、面白いものにするということ。目指しているやりたい仕事につくために、またはやりたい仕事の夢が叶わなくても、自分に与えられた仕事を面白いものにする。そうすればその仕事は唯一無二のものになり、好きにもなれる。

 「この世につまんない仕事なんてひとつも無い」。これは私の座右の銘の1つ。関わる人間次第なのですね。

 

文:松野大介

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松野 大介

まつの だいすけ

1964年神奈川県出身。85年に『ライオンのいただきます』でタレントデビュー。その後『夕やけニャンニャン』『ABブラザーズのオールナイトニッポン』等出演多数。95年に文學界新人賞候補になり、同年小説デビュー。著書に『芸人失格』(幻冬舎)『バスルーム』(KKベストセラーズ)『三谷幸喜 創作を語る』(共著/講談社)等多数。沖縄在住。作家、ラジオパーソナリティー、文章講座講師を務める。

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